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樋口社長のECOひいきコラム

13、「ロードキル」野生動物の交通事故について

 

コラム13  「ロードキル 野生動物の交通事故について

【ロードキルとは】

野生動物が、道路で轢かれる死亡事故のことで、広い意味では側溝などの転落死なども含みます。

今回のコラムは、野生動物が車に轢かれることについて、特に奄美大島について書いていきます。

写真1 アマミノクロウサギ
徳之島虹の会様提供

【アマミノクロウサギの現状】

南西諸島に位置する奄美大島、徳之島は2021年に世界自然遺産に登録されました。鹿児島県としては、屋久島に続き、二つ目の世界自然遺産登録です。特に奄美大島、徳之島には固有種としてアマミノクロウサギが生息しています。

写真2 アマミノクロウサギの糞

アマミノクロウサギは肉食哺乳類が生息しないため、子供のころにハブが天敵ではありますが、主要な天敵がいないため、この二島に生き残ることができました。ですが、人の手によりマングースが持ちこまれ、その捕食により数を減らしていきました。その後多くの人の努力により、マングースがほぼ駆除され、少しずつ数を増やしているのが現状です。

奄美大島では南部から中部の深い森がある地帯、北部では龍郷町の一部などに生息数が多いとされています。徳之島では中部から北部の森のある地帯に多く生息しています。実際に道路にはアマミノクロウサギの糞が見られることがあります。また、夜に車で走っていると、道の脇などに見ることがあり、道路に出てきていることがわかります。

環境省では、アマミノクロウサギの交通事故の統計を発表しており、年々事故件数が増えており、慎重な運転を呼び掛けています。

奄美新聞の記事2022.1.26を基にグラフ化してみました。

図1 アマミノクロウサギの交通事故件数

【アマミノクロウサギの交通事故の要因】を考えてみました。

関連する数値は何か、その要因を考えてみると下記ではないかと思います。

以上の関係性ではありますが、事実はグラフのとおり事故件数は増加傾向です。

アマミノクロウサギの交通に関しての増減要因

【世界自然遺産と宿題】

IUCN(国際自然保護連合)からは、世界自然遺産登録に当たって4つの指摘事項がありました。

その中で交通事故死に関しては

b)「希少種(特にアマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ)の交通事故死を減少させるための交通管理の取組の効果を検証し、必要な場合には強化するよう要請する。」とあります。

また、その期限は「2022 12 1 日までにユネスコに提出し、IUCN の評価を受けるよう要請する。」となっています。

今までの取り組みの効果を検証し報告しなくてはなりませんが、アマミノクロウサギの事故件数は増えているため、強化する必要性に迫られていると思います。

【ロードキルの従来対策】

ロードキルの従来対策

立て看板

アマミノクロウサギ注意標識

スピードバンプと路面標示

そのほかパンフレットやポスター、市町村の広報紙などで普及啓発を進めています。

 ・しかし、事故は止まらず、増加している状況が続いています。

 ・人間の交通事故が多発する場合、ガードレールの設置、速度規制などの対策が取られます。また、自動車メーカーも衝突安全機能の搭載として、ステレオカメラやミリ波レーダー、LiDAR(センサー)などで最終的には自動運転でも人を轢かない技術を目指して開発を進めていますが、アマミノクロウサギなどの生物に対応した開発は聞こえてきません。

【気を付けるから助けるへの意識変化を起こそう】 

今までの対策は「気を付ける」が主で、看板やパンフレットなどで注意を喚起する方法です。もう一歩気持ちを強めると、気を付けるから→「助ける」となります。

弊社からの提案として、どうぶつレスキューボックスを発売しました。レスキューする気持ちはもう一歩気持ちを強めることになります。レスキュー隊員のような気持ちで多くの市民が参加できる取り組みとなります。

【どうぶつレスキューボックス紹介】

新たな方法として、車に轢かれて怪我をした動物を救うひとつの方法がどうぶつレスキューボックスです。これは、専用の箱と救護マニュアルを車に搭載しておくことで、いざ事故に遭った動物を発見した際に、マニュアルに基づいて行政や獣医師の指示を仰ぎ、救護の指示の場合箱に入れて動物病院などに運ぶ仕組です。箱を積んでいないときに発見した場合は救護を躊躇するかと思いますが、搭載していることで救護する高い気持ちが維持されます。レスキュー隊員のような気持になってくれることを期待しています。

どうぶつレスキューボックスと対応マニュアル

テープ無しでワンタッチ組立できる

・ガムテープ無しで 、 ワンタッチで組み立てられます 。

・アマミノクロウサギでも入る寸法と、その体重でも底が抜けない強度があります 。

・普段は平たく畳んだ状態で車に収納できます。

・怪我をした動物を発見した場合の、対応マニュアルが添付されていて、行政や環境省、動物病院の電話番号に掛け、指示を仰ぎます。動物病院に持ち込む指示の場合、この箱を使います。

・動物病院で治療用の収容箱としても小型の動物の場合は継続して使えます。

・治療時には、箱の脇の手掛け穴から酸素吸入の管を挿入できます。

・開発や、マニュアルは奄美いんまや動物病院の伊藤圭子獣医師に監修いただきました。

★販売は奄美いんまや動物病院、うけん市場で扱っています。

詳しくは下記リンクを参照ください。

どうぶつレスキューボックス

★採用は奄美市の公用車、奄美市博物館、宇検村の公用車、龍郷町、奄美フォレストポリスなど

に採用いただきました。

【搭載車両用ステッカー】

どうぶつレスキューボックスを搭載した車両には、ステッカーを貼っていただくことが可能です(別売り)。企業や団体などの車両に搭載した場合、そのような自然保護活動に関わっているというアピールにつながります。ステッカーがさらに宣伝効果となり、認知度が高まり、新たな搭載につながるよい循環になることを願っています。

車載用ステッカー

ステッカー使用イメージ

SDGs目標15 

【販売価格】

●どうぶつレスキューボックス 価格550 円(税込み)

●ステッカー 価格220 円(税込み)

 

【搭載率を高め件数を減らす】

令和3年3月末時点での自動車の保有台数は奄美大島で約43,000台、徳之島で約22,000台です。

どうぶつレスキューボックスの搭載率が高まれば事故が減ると思っています。まず、1%の搭載率、後に5%、さらに10%の搭載率を目指したいと考えています。販売数を増やすことでロードキルの件数を減らす反比例の関係が成り立つため、企業として努力したいと思います。

 

【企業への展開】 

普及をしていくためには、企業の社用車にも展開したいと思っています。昨今SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を聞く機会が増えてきました。どうぶつレスキューボックスの社用車への搭載は、「目標15 陸の豊かさを守ろう」の「ターゲット15-5 絶滅危惧種を保護し対策する」に当てはまります。企業の通常の活動ではこの目標15の理念に合致する活動は難しいのですが、気軽に取り組める活動として認識されればと思っています。

世界自然遺産推進共同体に弊社も参加させていただいておりますが、他の参加企業様にも告知させていただきました。

 

【最後に】

新たな場所として徳之島でも同様に立ち上げを考えています。

太平電機では、さらにロードキルを日本から無くすべく、最先端の電子部品やセンサーを生かした電子機器の開発を進めており、今後投入していく予定です。ご期待ください。

定期的に更新されますので、続きをお楽しみに!

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